| *new year snow* =中編= |
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パパとはいっさい目を合わさず、口も聞かなかった例年になく静かなクリスマスから 一夜明けた早朝、普段はママが布団をひっぺがしても目を覚まさない マリィでしたが、 なぜかマリィは目が覚めてしまいました。 ベットの横に置いてあった雪の妖精の篭から「ちりちり」と弱々しい音が聞こえています。 「どうしたのかしら?」 独り言をつぶやきながら篭を覗いてみると、雪の妖精が飛ぶ事もできずに弱り小さな羽を 苦しそうに震わせていました。 「まぁ、大変。・・・ど、どうしたらいいんだろう。」 そういって部屋の中をぐるぐる回りながら考えていましたが、お兄ちゃんが妖精の辞書を 持っていた事を思い出し、お兄ちゃんの部屋に飛び込みました。 かなりどたばたしていたマリィでしたが、お兄ちゃんはぐっすりと寝ていてマリィには 気がつきません。 分厚くてきれいな装丁の妖精の辞書を引っ張りだすと雪の妖精の章を探しました。 「雪・・・雪・・・あ、あった!」 そこにはこう書かれていました。 『雪の妖精は暖かさに弱く、長時間暖かい所にいると飛ぶ事も出来なくなり、 そのまま置いておくとあっという間に死んでしまいます。』 それを読むと、マリィは部屋に入ってきた時と同じく飛ぶように自分の部屋へ戻ると、 ベットの横の大きな窓を開け放ちました。 窓の外からは凍るような冷たい風が入ってきてマリィの鼻をくすぐります。 「はっくちん!!」 子犬のようなかわいらしいくしゃみをしたマリィは慌ててコートとマフラーと手袋と耳あてをつけた後、辞書の続きを見る為に雪の妖精の篭の横へ座り込みました。 『雪の妖精は、冷たい水や氷を好んで食べます。少しだけ砂糖を混ぜるとさらに喜びます。雪を降らせたい時には妖精がたくさん住んでいる惑わしの森にある雪の塔へ行き・・・・』 ここまで読むとその先が破られていました。 「ムキー!!なんで肝心な所が破られてんのよ〜!!!」 マリィは、これを破いた人間を探し出しひっぱたいてやろうかと思いましたが、とりあえず出来る事をしようと台所へ向かいました。 コップに水と氷と砂糖を入れ、雪の妖精の所へ持っていきました。 雪の妖精はすぐに元気にはなりませんでしたが、寒い空気と冷たい砂糖水のおかげで 心なしか顔色が良くなった様でした。 「後は・・・私が一番魔王になるまでに色々調べて、妖精取り放題を禁止して、惑わしの森に 行くだけね。・・・・でも、雪の塔にいってどうしたらいいのかしら?」 言葉にしてみると、なんだかとてつもない事のような気がしてマリィは大きなため息を付きました。 それからマリィは明後日の一番魔王になる日まで、目の前にいる雪の妖精の看病に専念しました。一番魔王の城には、大魔法使いがいると聞いたので雪の塔の話はその大魔法使いに聞こうと 思ったからです。 しかし、一番魔王になるまでが大変でした。 開けっ放しの窓からは氷るような風がずっと入ってきます。 とっても小さなからだなのにびっくりする程あっという間に砂糖水がなくなってしまいます。 マリィはたくさん服を着込んで寒い部屋の中、砂糖水をきらさないように寝る時間を削って 懸命に看病しました。 普段はそれほど強情ではないマリィでしたが、この時ばかりはママやパパ、 お兄ちゃんが 代わって看病をすると言っても聞き入れませんでした。 マリィはどうしても自分の力で雪の妖精を元気にしてあげたかったのです。 雪の妖精はマリィの看病の甲斐あって日に日に元気になっていきました。 そして、マリィが一番魔王になる朝が来ました。 |
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